PostgreSQL の運用方式くらべ
同じ PostgreSQL を『どこで・誰が運用して』動かすか。自己管理からマネージド、サーバーレス/BaaS まで4つを、運用・スケール・可用性・セキュリティ・コストで見くらべる
オンプレ・AWS・Supabase・Neon の 4 方式は、動く中身が同じ PostgreSQL です。比べる軸は本体の性能ではなく、運用を誰が担い、費用がどうかかるかです。
- 右へ任せるほど楽になるが、ベンダー依存も深まる
- 費用は月額の見た目でなく、運用の人件費込みで比べる
- このサイトは 4 つのうち Neon の上で動いている
『どこで動かすか』で何が変わるのか
自前サーバーの一台も、クラウドのサーバーレスも、中で動く PostgreSQL は同じものです。それでも運用の手間・費用・守りの形は方式によってまるで違います。その差がどこから生まれるのかを、『おまかせ度』の 3 段階からたどりましょう。
まず全体像 —『おまかせ度』の3段階
各ステップをクリックすると、その内容の説明がここに表示されます。
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ステップ図「『自分で運用』から『おまかせ』への3段階」。3ステップ。 【手順】(順番に) 1. 自己管理(オンプレ / 自前サーバー) — 全部自分で運用 2. マネージド(AWS RDS / Aurora) — 運用はベンダーが肩代わり 3. サーバーレス / BaaS(Neon・Supabase) — サーバーを意識しない 補足: 右へ行くほど運用はベンダーへ。中身はどれも同じ PostgreSQL です。 【流れ】 - 自分で運用 → おまかせ: 自己管理 → マネージド → サーバーレス / BaaS
4つを8つの観点でくらべる(早見表)
各セルをクリックすると、その意味や詳しい説明がここに表示されます。
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比較表。4列 × 8行。 【列】 1. オンプレ(自己管理) 2. AWS(RDS / Aurora) 3. Supabase(BaaS) 4. Neon(サーバーレス) 【比較】(観点ごとに) ■ 運用の担当 - オンプレ: 全部自分 / HW〜監視まで - AWS: AWSが運用代行 / 設計は自分 - Supabase: フルマネージド / RLS設定は自分 / 1プロジェクト=専用1台 - Neon: フルマネージド / 設定は最小限 / 接続設定等は固定 ■ 始めやすさ - オンプレ: 起動は簡単/本番は難 / 広く深い知識が必要 - AWS: 数分で作成 / AWS知識+DBA - Supabase: 最速級 / DB+認証+API即 / RLSが学習点 - Neon: 1分未満で接続 / 標準PG・既存ツール可 ■ スケール - オンプレ: 手動・自前構築 / レプリカも自作 - AWS: インスタンス変更 / 読取レプリカ最大15 / Aurora Serverlessは自動 - Supabase: サイズ選択+レプリカ / 常時起動 / 真の自動停止は無し - Neon: 自動・スケールトゥゼロ / 未使用で停止→秒で再開 / ブランチも瞬時 ■ 可用性・バックアップ - オンプレ: 全部自作 / SLAなし / Patroni等で構築 - AWS: Multi-AZ/自動バックアップ / PITR標準 / SLA 99.95〜99.99% - Supabase: 日次バックアップ / Freeはバックアップ無 / PITR/HAは有料・上位 - Neon: 連続PITR/即時復元 / 履歴 最大30日 / 自動フェイルオーバは要確認 ■ セキュリティ - オンプレ: 自社に閉じる / 保存時暗号はOS任せ / 認証は自前取得 - AWS: VPC隔離/KMS/IAM / SOC/PCI/ISO/HIPAA - Supabase: 暗号化+RLS中心 / IP制限はAPIに非適用 / SOC2/ISO/HIPAA(上位+BAA) - Neon: 暗号化/IP許可/PrivateLink / SOC2/ISO/HIPAA(Scale+BAA) ■ コスト感 - オンプレ: DB料金なし / HW+人件費 / 最大要因は人件費 - AWS: 起動時間+容量課金 / 常時起動は割高にも / 新規はRDS無料枠あり - Supabase: Free / Pro 月$25〜 / +プロジェクト毎compute / PITR等はアドオン - Neon: 従量(秒課金) / 停止中は$0 / 無料枠あり(カード不要) ■ 付加機能 - オンプレ: 標準PostgreSQLのみ / 拡張は自分で - AWS: AWS連携が豊富 / Secrets/監視等 / Aurora複製/Global DB - Supabase: 認証/自動API/Storage / Realtime/pgvector / BaaSの強み - Neon: ブランチング / コピーオンライト / プレビューDBに最適 ■ 向いているケース - オンプレ: 厳格な所在地/全管理 / 安定大規模で割安 - AWS: AWS集約/エンタープライズ / コンプラ要件 - Supabase: アプリを速く作る / スタートアップ/AI - Neon: 開発/プレビュー/変動負荷 / 使わない時は止めたい 【観点】 - オンプレを見る: オンプレ - AWS を見る: AWS - Supabase を見る: Supabase - Neon を見る: Neon
料金・認証は変わります
価格改定・プラン変更・認証の追加が頻繁です。本ページの数値は2026年6月時点の目安なので、導入前に各社公式で最新を確認してください。なお Neon 独自の Azure リージョンは2026年8月で廃止予定。中身は同じ PostgreSQL なので、後からの乗り換えは比較的容易です。
押さえておきたい用語
- 責任共有モデル
- 運用・セキュリティの責任をベンダーと自社でどこまで分担するかの線引き。データと設計の正しさは常に自社に残る。
- マネージドサービス
- ベンダーがインフラ運用(パッチ・バックアップ・障害復旧など)を肩代わりする形態。AWS RDS / Aurora が代表例。
- サーバーレス
- サーバーの台数やサイズを常時意識しなくてよい運用形態。負荷に応じて自動で増減し、使った分だけの課金。Neon がこの方式。
- スケールトゥゼロ
- アクセスが無い間はコンピュートを停止して課金もゼロにし、次のアクセスで自動再開する仕組み。再開時に短いコールドスタートが出る。
- 行レベルセキュリティ(RLS)
- テーブルの『行』単位でアクセス可否を制御する Postgres の機能。Supabase では認可の中心で、正しい設定は顧客責任。
- コンプライアンス認証(SOC2 / HIPAA など)
- 第三者監査でセキュリティ統制を証明する認証。HIPAA(医療データ)は多くのサービスで上位プラン+BAA(事業者間契約)が前提。
- ベンダーロックイン
- 独自機能に依存して乗り換えにくくなる状態。4方式は同じ Postgres なので移行は比較的容易だが、独自機能を使い込むほど上がる。
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